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ABC Night Lineを観ていたら今日、興味深い洋書が出版されることが分かった。JFKが私的に記録したテープレコーダーを扱った本が発売されるという。
Listening In: The Secret White House Recordings of John F. Kennedy
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(2012/09/25)
Ted Widmer、Caroline Kennedy 他

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サブタイトルも含めて訳せば、ジョン・F・ケネディがホワイトハウスで記録した機密の盗聴
といったところか。変な訳ですみません。


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テープに記録された記録音声は265時間にものぼるそうだ。マニアックな読者なら僕がゲバラの記録音声を聞くようにすべて聴きたいだろうが、そうでない人には長すぎる。。JFK図書館(John F. Kennedy Library )とTed Widmer 氏によって75分の2枚組CDにリマスターされ、この本を買った人にはもれなくプレゼントされるそうだ。
↓JFK・ライブラリーによる解説動画

ABCナイトラインに話を戻すと、この特集でキューバ危機最中にテープが録音した音声が取り上げられていた。
日本人なら誰でも知っているあのカーティス・ルメイとのやりとりだ。
Which leaves me only one alternative, which is to fire nuclear weapons – which is one hell of an alternative.
それは私にのこされた最後の選択肢だ。核兵器の火ぶたを切る-とんでもない選択肢だ。

核戦争に発展しかねない状況下で、ケネディが自らの選択の重さに苛まれている中、ルメイはまるで他人事のように言った。

you’re in a pretty bad fix, Mr. president.
大統領、 あなたは極めて苦しい立場にある。

と。 ケネディは次のように切り返した。
You’re in there with me!
きみも、私と同様に苦境に立っているんだよ!



さすが鬼畜の異名を持ち、キューブリックの映画「博士の異常な愛情」の異常な軍人のモデルとなったルメイ。数多の罪のない日本人を空爆する命令を発したルメイについて、その当時ルメイの配下にあったマクナマラさんは、「The Fog of War」で次のように回想している。
Kennedy was trying to keep us out of war. I was trying to help him keep us out of war. And General Curtis LeMay, whom I served under as a matter of fact in World War II, was saying
ケネディは戦争を回避するよう取り組んでいた。私は彼の助けになるよう試みました。しかし、私の第二次世界大戦時の上官だった将軍のカーティス・ルメイは言ったのです。
"Let's go in, let's totally destroy Cuba."
「徹底的にキューバを破壊しようではないか」と。

Wiki Quote Robert McNamara

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(2009/08/05)
ロバート・マクナマラ

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来月はキューバ危機から50年目の節目を迎える。時間が許せば、キューバの視点からあの人類最大の危機を考察していこうと思う。 この危機については、キューバ革命を詳しく調べる前は、映画13daysを観た程度の知識しかなかった。 しかし、この危機は知れば知るほど、深刻だったことがわかる。 そしてそのような危機の最中、チェ・ゲバラは最も危険な場所で防衛任務を担っていたのだ。。そのことについてはまた別の記事で書こうと思う。

cf 故ケネディ米大統領の肉声テープ公開、暗殺までの3カ月を記録 ロイター通信
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チェ・ゲバラが、国際政治の場における壇上で初めて演説を行ったのは、今から50年前の1961年8月8日。バイーア・デ・コチーノス(俗にピッグス湾)事件から、3ヵ月半後、武力による侵攻で敗北を喫したケネディ大統領は、ラテンアメリカ諸国からキューバを経済的に疎外するとう策を進めていた。それがいわゆる「進歩のための同盟」であった。ゲバラはこの同盟の偽善性を暴くという使命をもとに、ウルグアイのプンタ・デル・エステで開催された、米州機構経済社会理事会の壇上に起った。
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以下の動画は、この会議での演説の最期の箇所。映像があまり鮮明でなく、音声も少し雑音が入るが、貴重な資料だ。

以下の訳文の3パラグラフ目のSe trataba de una agresión contra Cubaから動画に対応しています。

Discurso en Punta del Este, Uruguay, 8 de agosto de 1961
ウルグアイ、プンタ・デル・エステでの演説、1961年8月8日

Nosotros señores Delegados, llamamos a la Alianza para el Progreso, la alianza para nuestro progreso, la alianza pacífica para el progreso de todos. No nos oponemos a que nos dejen de lado en la repartición de los créditos, pero sí nos oponemos a que se nos deje de lado en la intervención en la vida cultural y espiritual de nuestros pueblos latinoamericanos, a los cuales pertenecemos.
各国代表の皆さん、我々は「進歩のための同盟」を、我等の進歩のための同盟、すべての者の進歩のための平和同盟と呼んでいる。我々は借款の配分からないがしろにされることに対しては反対しない。しかし、我々が属するラテンアメリカ各国の文化や精神的営みへの参画から疎外されることに対し、反対する。

Lo que nunca admitiremos es que se nos coarte nuestra libertad de comerciar y tener relaciones con todos los pueblos del mundo, y de lo que nos defenderemos con todas nuestras fuerzas es de cualquier intento de agresión extranjera, sea hecho por la potencia imperial o sea hecha por algún organismo latinoamericano que englobe el deseo de algunos de vernos liquidados.
我々が断固認めないのは、我々の商取引と、世界中の人々と繋がりを持つ自由が、制限されることである。我々は全力で、外国のいかなる侵略の試みから自衛するつもりである。その試みは、経済大国のか、あるいは、我々を一掃しようとする者たちの願望を包括する、ラテンアメリカのある機関の意図であるかもしれない。

(プンタ・デル・エステ会議 演説中のゲバラの記録映像)

Para finalizar, señor Presidente, señores Delegados, quiero decirles que hace algún tiempo tuvimos una reunión en el Estado Mayor de las Fuerzas Revolucionarias en mi país, Estado Mayor al cual pertenezco. Se trataba de una agresión contra Cuba, que sabíamos que vendría, pero no sabíamos aún cuándo ni por dónde. Pensábamos que sería muy grande, de hecho iba a ser muy grande. Esto se produjo antes de la famosa advertencia del Primer Ministro de la Unión Soviética, Nikita Khrushchov de que sus cohetes podían volar más allá de las fronteras soviéticas. Nosotros no habíamos pedido esa ayuda, y no conocíamos esa disposición de ayuda. Por eso, nos reunimos, sabiendo que llegaba la invasión, para afrontar como revolucionarios nuestro destino final. Sabíamos que si los Estados Unidos invadían a Cuba, una hecatombe habría, pero en definitiva seríamos derrotados y expulsados de todos los lugares habitados del país.
議長ならびに各国代表の皆さん、演説の最後に、私自身も所属している我が国の革命軍参謀本部で、少し前に会議が開かれたことをお伝えしたい。この会議で、キューバに対する侵略が、議論された。我々はそれが起こり得ることを知っていたが、いつ、どこから来るのか知らなかった。侵攻は大規模なものになるであろうと考えられた。実際、大変大きな事態になろうとしていたのだ。これは、ソビエト連邦のニキータ・フルシチョフ首相の例の警告の前のことだ。それは、ソ連のロケットが彼らの国境を越えて飛んで来れるという警告だった。我々はそのような支援要請をしなかったし、そのような配備があることを知らなかった。したがって、我々は侵攻が来ることを察知し、革命家として我等の最期の運命に立ち向かうために集結したのだ。もし合衆国がキューバを侵攻すれば、大虐殺が行われ、最終的には我々が打ち負かされ、国内のあらゆる居住地域から追い出されることを、我々は知っていた。

Propusimos, entonces, los miembros del Estado Mayor, que Fidel Castro se retirara a un reducto de la montaña y que uno de nosotros tomara a su cargo la defensa de La Habana. Nuestro Primer Ministro y nuestro Jefe contestó aquella vez, con palabras que lo enaltecen -como en todos sus actos- que si los Estados Unidos invadían a Cuba y La Habana se defendía como debiera defenderse, cientos de miles de hombres, mujeres y niños morirían ante el ímpetu de las armas yanquis, y que a un gobernante de un pueblo en revolución no se le podía pedir que se refugiara en las montañas, que su lugar estaba allí donde se encontraban sus muertos queridos, y que allí, con ellos, cumpliría su misión histórica.
そのとき、参謀本部のメンバーはフィデル・カストロが山中の砦へ退却し、参謀本部のメンバーのうち一人が、ハバナ防衛の任務を引き受けてはどうかと提案した。我々の首相兼指導者は、-彼のあらゆる行動がそうであるわけだが-、そのとき、賞賛に値する言葉で答えた。合衆国がキューバに侵攻し、ハバナが然るべき防衛体勢をとるなら、数十万人の男、女子供がヤンキーの兵器を前に、なぎ倒されるだろう。そのような時に、革命で人民を率いる指導者に対して、山中に篭もる様に要請することは出来ない。自分の居場所は、愛する戦死者がいるところであり、そここそが、自身の歴史的使命を果たすところである、と。

No se produjo esa invasión, pero mantenemos ese espíritu, señores Delegados. Por eso, puedo predecir que la Revolución cubana es invencible, porque tiene un pueblo y porque tiene un gobernante como el que dirige a Cuba.
Eso es todo, señores Delegados.(APLAUSOS)
そのような侵攻は起こらなかった。しかし、各国代表の皆さん、我々はその精神を持ち続けている。したがって、人民から支持され、現在、キューバを率いている指導者がいるからこそ、キューバ革命は不滅であると、予言することが出来るのである。
各国の代表の皆さん、以上です。
(拍手)
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国際世論からの非難に怯えたケネディ大統領は、プラヤ・ヒロン侵攻以後は、侵略を行わなかった。CIAがマングース作戦という破壊工作(今風に言えばテロ)を進めにに留まった。

1962年10月に、世界を震撼させた核戦争の危機がキューバで起きたのは、この演説から14ヵ月後のことである。

<参考図書>
ゲバラ 世界を語る 』甲斐美都里∥訳 2008年。中央公論新社。

ゲバラ 世界を語る (中公文庫)ゲバラ 世界を語る (中公文庫)
(2008/05/23)
エルネスト・チェ ゲバラ

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昨日は要約のみだったので、今日は一応全部訳してみました。あまり自信がない箇所もあるのでスペイン語がお上手な方はアドバイスお願いします。CubaDebateでは昨日は全然コメントがなかったけど、今日は50以上のコメントが投稿されて、盛り上がってました。でも何故か日本語で書かれたニュース記事が一つもなく、ブログですら取り上げているのは僕だけなンっすね。。。。。。カストロさんはキューバ危機を体験された当事者だし、唯一の被爆国である日本で彼の廃絶の訴えが届いてないのは悲しいっすね。。。。
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先月にカストロさんが日本から来たピースボートの一行と、ヒバクシャの方と交流を深められたことについて、このブログの記事で取り上げた。カストロさんは21日、日本のNGO「ピースボート」の航海に参加している600人以上との集会に出席した。Fidel con los integrantes del Crucero por la Paz: “Nunca en la historia de la Humanidad hubo un momento tan peligroso
カストロさん、ネットを通じて世界に核戦争の脅威を呼びかけるMensaje de Fidel: “En una guerra nuclear el daño colateral sería la vida de la humanidad” (+ Video)


今日のグランマの一面でも昨日のメッセージが紹介されてました
Mensaje del Comandante en Jefe Fidel Castro Ruz contra la Guerra Nuclear

El uso de las armas nucleares en una nueva guerra implicaría el fin de la humanidad.
新たな戦争における兵器の使用は、人類の終わりを意味します。
Así lo previó el científico Albert Einstein, quien fue capaz de medir su capacidad destructiva de generar millones de grados de calor que todo lo volatiliza en un amplio radio de acción.
科学者のアルバート・アインシュタインは予見していた。
何百万度もの熱を放出し、広い範囲ですべてを蒸発させるだけの破壊力を彼は測定した。
El genial investigador fue impulsor del desarrollo de esta arma antes de que el régimen genocida nazi dispusiera de ella.
残虐なナチスに使われる前に、この才能に恵まれた研究者は兵器の開発を進めた。
Cualquier gobierno del mundo está obligado a respetar el derecho a la vida de cualquier nación y del conjunto de todos los pueblos del planeta.
世界中の各々の政府は、地球上のすべての人々の生活と人権を尊重しなければならない。
Hoy existe un riesgo inminente de guerra con empleo de ese tipo de armas y no albergo la menor duda de que un ataque de Estados Unidos e Israel contra la República Islámica de Irán, se tornaría, inevitablemente, en un conflicto nuclear global.
今日では、この種の兵器が使用される戦争が起きる危機が、さし迫っていることに疑いの余地がない。
合衆国とイスラエルによる、イスラム圏のイラクに対する攻撃は、世界規模の戦争を誘発を避けることが出来ないだろう。
Los pueblos están en el deber de exigir a los líderes políticos su derecho a vivir.
人々は各々の政府の指導者に、生命の権利を要求しなければならない。
Cuando la vida de su especie, de su pueblo y de sus seres más queridos corren semejante riesgo,
人は生活において、愛する同胞が危険に瀕しない限り、
nadie puede darse el lujo de ser indiferente, ni se puede perder un minuto en exigir el respeto a ese derecho;
人権の尊重が損なわれないなら、事を重く考えずに悠長になる。
mañana sería demasiado tarde.
明日では手遅れである
El propio Albert Einstein afirmó textualmente:
アルバート・アインシュタインは次のように言った
“No se qué armas se utilizarán en la Tercera Guerra Mundial, pero en la Cuarta Guerra Mundial usarán palos y piedras”.
第三次世界大戦がどのような戦いになるのかなんて、私には分からない。しかし、第四次大戦なら分かる。石と棒で戦うだろう、と
Sabemos lo que quiso expresar, y tenía toda la razón, sólo que no existirían ya quienes manejen los palos y las piedras.
我々は彼が意図することを理解できるし、すべては道理にかなってる。
もはや石器と棍棒しか残らないであろうことを。
Habría daños colaterales, como afirman siempre los líderes políticos y militares norteamericanos, para justificar la muerte de personas inocentes.
アメリカの軍と指導者たちは、無実の人に対する殺戮を正当化するためにいつも、人々を巻き込んできたように。
En una guerra nuclear el daño colateral sería la vida de la humanidad.
人類の生活は、戦争の被害に巻き込まれるでしょう。
¡Tengamos el valor de proclamar que todas las armas nucleares o convencionales, todo lo que sirva para hacer guerra, deben desaparecer!
我々は核兵器など、戦争に関わるすべての兵器を無くさなければならないことを、
勇気を持って訴えていきましょう!
Fidel Castro Ruz
Octubre 15 de 2010

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スペイン語
¡Tengamos el valor de proclamar que todas las armas nucleares o convencionales, todo lo que sirva para hacer guerra, deben desaparecer!
英語
Let us have the courage to proclaim that all nuclear or conventional weapons, everything that is used to make war, must disappear!
ドイツ語
Ich rufe alle dazu auf, den Mut zu haben, um zu verkünden, dass alle atomaren oder konventionellen Waffen, alles, was zum Kriegmachen dient, verschwinden müssen!
フランス語
Ayons le courage de dire tout haut que toutes les armes, qu’elles soient atomiques ou classiques, que tout ce qui sert à faire la guerre doit disparaître !
イタリア語
Abbiamo il coraggio di proclamare che tutte le armi nucleari oppure convenzionali, tutto quello che serva per fare guerra, devono sparire!
ポルトガル語
Tenhamos o valor de proclamar que todas as armas nucleares ou convencionais, tudo o que sirva para fazer guerra, devem desaparecer!
ロシア語
Будем же иметь мужество провозгласить, что все ядерное и обычное оружие, все то, что служит для ведения войны, должно исчезнуть!
アラビア語
في أي حرب نووية تنشب، الضرر الجانبي سيكون حياة البشرية نفسها.
فلنمتلئ بجرأة المطالبة بالقضاء على كل الأسلحة النووية والتقليدية، وكل ما ينفع من أجل صنع الحرب.

動画の最期のカストロさんの訴えの部分だけ各国の言葉で紹介してみました。世界中の人に核廃絶の訴えが届くといいっすね。
通常兵器まで廃絶するのは夢物語ですが、とりあえずは核兵器だけでも廃絶しなければならない。アインシュタインの予言が現実になってしまってはシャレにならない。

そういえば今日はあのケネディの演説が行われた日なンっすね。

あのキューバ危機は58年も昔の話。ケネディは暗殺され、側近のマクナマラも去年亡くなられた。あの10月危機で生き残っている指導者はカストロさんだけっすね。
カストロさんの訴えの声が世界中の人に届くといいっすね。オバマ大統領が核廃絶を呼びかけるのとはまた違った説得力があると思います。あのような歴史は2度と繰り返されないためにも、カストロさんの呼びかけは意義があることに違いありません。
昨日のCubadebateの興味深いカストロさんの台詞が載っていた
Fidel en Mesa Redonda de domingo: “Los yanquis están en Jaque Mate por más inteligentes que sean”
ヤンキーはチェックメイト以上に賢いゲームをするってところだろうか
確かにアンクルサムの手法は昔と比べてかなり巧妙になっている。あのイラク戦争も9.11で始まり今はアメリカ兵が撤退しているが、あの戦争の本質がなかなか見えてこないのだ。一世紀前、米西戦争のときにアメリカが介入したときは分かりやすい構図だったが、今日の世界情勢はあの時と比べ物にならないぐらい複雑なのだ。ヤンキーはチェックメイトして国際非難を浴びるより、もっと巧妙な汚い手法で世界秩序を築き上げようとしている。
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キューバ危機はそれこそチェスゲームだったのだろう。米ソの冷戦構造というチェス盤上で繰り広げられたゲームだった。ホワイトハウス(白)が先手にヒロシマに原爆を投下してソ連にの脅威を見せつけ、冷戦という馬鹿げた定跡を築き上げたのだ。冷戦はそれまでになかった駒の打ち方で、互いに駒を奪い合うリスクを避けることが出来るというメリットがある一方で、下手をすれば戦争という人類滅亡の危機に直面するという大きなリスクがあった。アメリカはNATOという駒を進め、ソ連はワルシャワ軍で迎え撃つ。オープニングゲームではベルリンで米ソの駒が対峙して睨みあった。実際のチェスのゲームでもよくあることだが、互いに打つ手が中々見出せずゲームは硬直化したのだ。しかし明らかに駒の数は白の方が多かったし、黒の陣営近くのトルコというマス目でジュピター型のミサイルが、まるでビショップのようにモスクワという黒のキングに睨みを効かせていた。黒は劣勢だった。
そんな情勢でクルシチョフという経験豊かで有能なチェスプレイヤーが、アメリカのケネディという若くまだまだ経験の浅い未熟なプレイヤーと対峙することになった。白はキューバというマス目が黒に狙われていると恐れ、ピッグス湾侵略やマングース作戦でCIAは亡命キューバ人の反カストロ派という駒を使ったが失敗して黒に駒を奪われる。この白のミスによってキューバというマス目は黒の陣営に入ることを宣言したことに注目してクルシチョフは冒険的な手を打つことにした。白のキングのすぐ近くのキューバというマス目にビショップを置くことにしたのだ。。。。この手は黒にとってもかなりリスクのある手だったが、黒はこのビショップで起死回生を狙い冷戦というチェスゲームで優位に立とうとした。
その後、キューバのマス目の周りでは、白がポーンなどで固めて黒が攻めて来られないように隔離線を設けたりもした。上空では、黒のビショップが攻撃を仕掛けてきたらいつでも駒を奪い返すために、弾頭を積んだ白の戦闘機がナイトのように動き回っていた。互いがなにか間違った手を打てば冷戦というチェスゲームは、戦争という局面を迎えるという危機に陥ったのだ。それがいわゆるキューバ危機だった。

とまぁ。。。。チェス風にキューバ危機を語ってみましたが、戦争では奪われる駒は軍人だけではなく、ゲームに関係ない一般大衆も含まれる。。。ケネディもクルシチョフも駒の奪い合いを望んでいなかったが、それぞれの陣営の駒はプレイヤーの意志に反して動こうとした。例えば白のカーティス・ルメイという人は、キューバを島ごと蒸発させるつもりでいた。彼は先の大戦で日本の東京を焼き尽くしたが、職業軍事らしく割り切って駒を打っていたのだ(勿論、ペンタゴンのみんながそうではないはずだが)いずれにしても彼はゲームの終盤で白の駒が2つあって黒の駒が1つ残ってさえいればいいと考えていたようだ。これが本当のチェスならありふれた展開だが、実際の戦争となると話は変ってくる。駒は人命であり、一度奪ってしまえば、取り返しがつかない。
結局、クルシチョフとケネディは互いに平和的な解決方法を見つけ、黒の白に対する譲歩もあってゲームは核戦争に突入せずに終えることが出来たのだ。しかし、二度と人類はこのような無謀なゲームを行ってはいけない。
この教訓を生かして今日まで核軍縮が行われてきた。
最近のカストロ前議長の国会での演説やインタビューで核戦争について議論されたことを記事に書きましたが、キューバ危機については詳しく触れなかった。そこでキューバ危機について詳しく知ろうと思い、今年の1月に日本語訳が出版されたマイケル・ドブズさんの「核時計零時1分」を読んでみた。
彼のHP:Official Website of Michael Dobbs - Author

核時計零時1分前―キューバ危機13日間のカウントダウン核時計零時1分前―キューバ危機13日間のカウントダウン
(2010/01)
マイケル ドブズ

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著者はワシントン・ポスト紙でモスクワなどの支局長を歴任し、共産主義国家の崩壊を報道してこられた。
マイケルさんがアメリカ人ということもあり、アメリカ側のみ、一方的な解釈に終わってるのではないかと懸念していたが、少なくとも経歴を見る限り、ソ連側の視点はしっかりと記述されていることが分かる。
この本のオリジナル英語版の題名はOne Minute to Midnight: Kennedy, Khrushchev, and Castro on the Brink of Nuclear War

One Minute to Midnight: Kennedy, Khrushchev, and Castro on the Brink of Nuclear War (Vintage)One Minute to Midnight: Kennedy, Khrushchev, and Castro on the Brink of Nuclear War (Vintage)
(2009/06/02)
Michael Dobbs

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英語版のサブタイトルからも分かるようにキューバ危機の主要な登場人物にはケネディ、カストロ、クルシチョフが挙げられる。したがって、キューバ危機を考察する際は、アメリカだけでなく、ソ連、そしてキューバ側からみた視点が必要であるといえるだろう。しかし、キューバ危機についての既存の本や映画はアメリカ側の視点に立ち、ケネディをただ核戦争を回避した英雄に祭り上げ、アンクルサムにとって不都合な事実はほとんど触れていないのがほとんどだ。あとがきでの著者はこの点を指摘されているが、この本はキューバ危機を知る上でアメリカに偏ることなく、ソ連やキューバの立場にも立脚したバランスの取れた良書といえるだろう。
しかし、キューバについては、特にカストロについては歪んだ表現がされている感がある。決して史実にには反してないが、そこら辺りは仕方ないだろう。著者は第一にアメリカ人の読者を念頭に置かなければならず、カストロに対して甘いことを書くと、読者かが不快感を感じると考えて遭えてそういう表現がされているのかもしれない。(例えばカストロが狂人のように表現されている。読めば分かると思うが)
この本はページ数は600ページ近くあるが、読者を飽きさせないという点でも優れた作品だ。時系列に沿って書かれ、ページの半分ぐらいは10月27日の暗黒の土曜日について割かれている。ただ残念なのはもう少しキューバ危機を引き起こした要因、特にアメリカのCIAによるキューバに対する破壊工作を行ったマングース作戦、ピッグス湾侵攻事件について詳しく触れて欲しかった。この点をしっかり理解しないとなぜキューバ危機が起こったのか理解できないからだ。すくなくともキューバ人の感情を理解することは出来ない。
いろいろと考えさせられた本ではあったが、それだけでなくチェ・ゲバラがキューバ危機の時にどこで何をしていたかについても記述されていて面白かった。キューバ危機を取り扱った本でゲバラについて触れてるのはこの本ぐらいだろう。

最後にキューバ危機を考察するにあたって役に立ちそうな映像資料やHPなどのリンクを残しておいて、また時間があるときにこの危機について考えてみたい。
wikipediaこの本を参考資料に記事が書かれている。
JFK IN HISTORY:Cuban Missile CrisisJFKのキューバ危機時の演説などが載ってる
Discovery Channel 1992年に製作されたキューバ危機についてのドキュメンタリーがニコニコ動画にアップされている。カストロの革命達成後~アメリカの破壊工作、カストロの暗殺計画などヤンキーにとって不都合な真実が説明されている貴重なドキュメンタリーだ。
第1部はDefying Uncle Samアンクルサムへの反発 アンクルサムのピッグス湾侵略に対する反発からキューバに核兵器が配備されるまでが描かれている。

第2部は Eyeball to eyeball 息詰まるにらみ合い

ニコニコにはDiscovery Channelがアップされているが、恐らくこれも他の動画と同じく近いうちに消されるだろう。DVDとかないか探してみたが、見つからなかった。どうやらアンクルサムにとって不都合なドキュメンタリーは、市場経済から抹殺されるようだw。。。。



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