ABC Night Lineを観ていたら今日、興味深い洋書が出版されることが分かった。JFKが私的に記録したテープレコーダーを扱った本が発売されるという。
Listening In: The Secret White House Recordings of John F. Kennedy
Listening In: The Secret White House Recordings of John F. KennedyListening In: The Secret White House Recordings of John F. Kennedy
(2012/09/25)
Ted Widmer、Caroline Kennedy 他

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サブタイトルも含めて訳せば、ジョン・F・ケネディがホワイトハウスで記録した機密の盗聴
といったところか。変な訳ですみません。


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テープに記録された記録音声は265時間にものぼるそうだ。マニアックな読者なら僕がゲバラの記録音声を聞くようにすべて聴きたいだろうが、そうでない人には長すぎる。。JFK図書館(John F. Kennedy Library )とTed Widmer 氏によって75分の2枚組CDにリマスターされ、この本を買った人にはもれなくプレゼントされるそうだ。
↓JFK・ライブラリーによる解説動画

ABCナイトラインに話を戻すと、この特集でキューバ危機最中にテープが録音した音声が取り上げられていた。
日本人なら誰でも知っているあのカーティス・ルメイとのやりとりだ。
Which leaves me only one alternative, which is to fire nuclear weapons – which is one hell of an alternative.
それは私にのこされた最後の選択肢だ。核兵器の火ぶたを切る-とんでもない選択肢だ。

核戦争に発展しかねない状況下で、ケネディが自らの選択の重さに苛まれている中、ルメイはまるで他人事のように言った。

you’re in a pretty bad fix, Mr. president.
大統領、 あなたは極めて苦しい立場にある。

と。 ケネディは次のように切り返した。
You’re in there with me!
きみも、私と同様に苦境に立っているんだよ!



さすが鬼畜の異名を持ち、キューブリックの映画「博士の異常な愛情」の異常な軍人のモデルとなったルメイ。数多の罪のない日本人を空爆する命令を発したルメイについて、その当時ルメイの配下にあったマクナマラさんは、「The Fog of War」で次のように回想している。
Kennedy was trying to keep us out of war. I was trying to help him keep us out of war. And General Curtis LeMay, whom I served under as a matter of fact in World War II, was saying
ケネディは戦争を回避するよう取り組んでいた。私は彼の助けになるよう試みました。しかし、私の第二次世界大戦時の上官だった将軍のカーティス・ルメイは言ったのです。
"Let's go in, let's totally destroy Cuba."
「徹底的にキューバを破壊しようではないか」と。

Wiki Quote Robert McNamara

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(2009/08/05)
ロバート・マクナマラ

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来月はキューバ危機から50年目の節目を迎える。時間が許せば、キューバの視点からあの人類最大の危機を考察していこうと思う。 この危機については、キューバ革命を詳しく調べる前は、映画13daysを観た程度の知識しかなかった。 しかし、この危機は知れば知るほど、深刻だったことがわかる。 そしてそのような危機の最中、チェ・ゲバラは最も危険な場所で防衛任務を担っていたのだ。。そのことについてはまた別の記事で書こうと思う。

cf 故ケネディ米大統領の肉声テープ公開、暗殺までの3カ月を記録 ロイター通信
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昨日のCubadebateの興味深いカストロさんの台詞が載っていた
Fidel en Mesa Redonda de domingo: “Los yanquis están en Jaque Mate por más inteligentes que sean”
ヤンキーはチェックメイト以上に賢いゲームをするってところだろうか
確かにアンクルサムの手法は昔と比べてかなり巧妙になっている。あのイラク戦争も9.11で始まり今はアメリカ兵が撤退しているが、あの戦争の本質がなかなか見えてこないのだ。一世紀前、米西戦争のときにアメリカが介入したときは分かりやすい構図だったが、今日の世界情勢はあの時と比べ物にならないぐらい複雑なのだ。ヤンキーはチェックメイトして国際非難を浴びるより、もっと巧妙な汚い手法で世界秩序を築き上げようとしている。
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キューバ危機はそれこそチェスゲームだったのだろう。米ソの冷戦構造というチェス盤上で繰り広げられたゲームだった。ホワイトハウス(白)が先手にヒロシマに原爆を投下してソ連にの脅威を見せつけ、冷戦という馬鹿げた定跡を築き上げたのだ。冷戦はそれまでになかった駒の打ち方で、互いに駒を奪い合うリスクを避けることが出来るというメリットがある一方で、下手をすれば戦争という人類滅亡の危機に直面するという大きなリスクがあった。アメリカはNATOという駒を進め、ソ連はワルシャワ軍で迎え撃つ。オープニングゲームではベルリンで米ソの駒が対峙して睨みあった。実際のチェスのゲームでもよくあることだが、互いに打つ手が中々見出せずゲームは硬直化したのだ。しかし明らかに駒の数は白の方が多かったし、黒の陣営近くのトルコというマス目でジュピター型のミサイルが、まるでビショップのようにモスクワという黒のキングに睨みを効かせていた。黒は劣勢だった。
そんな情勢でクルシチョフという経験豊かで有能なチェスプレイヤーが、アメリカのケネディという若くまだまだ経験の浅い未熟なプレイヤーと対峙することになった。白はキューバというマス目が黒に狙われていると恐れ、ピッグス湾侵略やマングース作戦でCIAは亡命キューバ人の反カストロ派という駒を使ったが失敗して黒に駒を奪われる。この白のミスによってキューバというマス目は黒の陣営に入ることを宣言したことに注目してクルシチョフは冒険的な手を打つことにした。白のキングのすぐ近くのキューバというマス目にビショップを置くことにしたのだ。。。。この手は黒にとってもかなりリスクのある手だったが、黒はこのビショップで起死回生を狙い冷戦というチェスゲームで優位に立とうとした。
その後、キューバのマス目の周りでは、白がポーンなどで固めて黒が攻めて来られないように隔離線を設けたりもした。上空では、黒のビショップが攻撃を仕掛けてきたらいつでも駒を奪い返すために、弾頭を積んだ白の戦闘機がナイトのように動き回っていた。互いがなにか間違った手を打てば冷戦というチェスゲームは、戦争という局面を迎えるという危機に陥ったのだ。それがいわゆるキューバ危機だった。

とまぁ。。。。チェス風にキューバ危機を語ってみましたが、戦争では奪われる駒は軍人だけではなく、ゲームに関係ない一般大衆も含まれる。。。ケネディもクルシチョフも駒の奪い合いを望んでいなかったが、それぞれの陣営の駒はプレイヤーの意志に反して動こうとした。例えば白のカーティス・ルメイという人は、キューバを島ごと蒸発させるつもりでいた。彼は先の大戦で日本の東京を焼き尽くしたが、職業軍事らしく割り切って駒を打っていたのだ(勿論、ペンタゴンのみんながそうではないはずだが)いずれにしても彼はゲームの終盤で白の駒が2つあって黒の駒が1つ残ってさえいればいいと考えていたようだ。これが本当のチェスならありふれた展開だが、実際の戦争となると話は変ってくる。駒は人命であり、一度奪ってしまえば、取り返しがつかない。
結局、クルシチョフとケネディは互いに平和的な解決方法を見つけ、黒の白に対する譲歩もあってゲームは核戦争に突入せずに終えることが出来たのだ。しかし、二度と人類はこのような無謀なゲームを行ってはいけない。
この教訓を生かして今日まで核軍縮が行われてきた。