上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
被災地へボランティアに向かう前に図書館で見かけて、その場で読み始めた日誌。著者は、東北方面総監政策補佐官、いわゆる背広組みの方です。それでも自らの仕事を、被災地の極限状態でこなされる様が日誌に描かれているのを読み、内局に対
自衛隊救援活動日誌  東北地方太平洋地震の現場から自衛隊救援活動日誌  東北地方太平洋地震の現場から
(2011/07/06)
須藤 彰

商品詳細を見る
するイメージが変わった。
著者は肩書きどおり、総監を補佐する役目を果たす一方、政と官を繋ぐクッション的な役割も務められる。日誌からは決して上から目線的な態度が感じられない。隊に溶け込み、隊員と同じ冷や飯を食べ、現場からニーズを汲み取られる様子が描かれている。

日誌では、君塚栄治総監の指揮官としての魅力も語られている。陸、海、空の10万人体制という自衛隊史上最大の編成。今回の災害派遣では総監の指揮官としての力量が試されたことは言うまでもない。極限状態でもユーモアを交え、隊員に安心感を与えられたそうだ。著者は「名将のオーラ」を総監から強く感じられたらしい。

余談だが、僕は今年就職活動の一環で、佐官の方とお話しする機会があった。一人は戦車隊の大隊長の方、そしてもう一人は地方協力本部の方。僕の不躾な質問にも答えていただいた。幹部自衛官は、自身より年上の部下を持ち、自身より専門能力が上のいわば職人である下士官を指揮していかなければならない。そのことに対する不安を質問してみたが、大隊長の方はそんなことは心配することじゃないと応えられた。指揮官は何もすることが出来ないのだと。戦車隊らしい、良い意味での荒々しさと気迫に圧倒させられた一時だった。同時に指揮官とは何たるかを、感じさせられた。
ちなみに、僕の県から受験した幹部候補生受験者は約80名受験し、全滅した。僕は運よく1次試験を突破し、残りの6名に生き残ったが、面接試験で玉砕されました。今から振り返ってみると、将来の指揮するものとして、あるべきでない様態で面接に挑んでいたことを痛感させられる。決定的なのが、自信のなさだ。

おっと。。。随分話が逸れました。この本は、将来、防衛省の制服組を受験される方は勿論、幹部自衛官を目指す人にもお勧めです。僕ももう少し早く読みたかったものですが。。
また、市役所の職員を受験される方にも勧めたい。この日誌の著者の政策補佐官は、迷彩の戦闘服を着て活動されていますが、やはり事務屋の方。だから役所の危機管理のあり方などについても触れられている。今回のような非常事態ではセクショナリズムに捉われず、被災者を救いたいという一心で仕事に取り組むべきであることを説かれている。読み様によっては、いろいろと学ばされる日誌であった。
スポンサーサイト
東北地方太平洋沖地震における災害派遣を海外のマスメディアは高く評価している。平時における国内では、シビリアンコントロールの名の下、文民の政治家に酷い扱いをされている自衛隊。
隊員の士気は高く、自己完結能力に優れた自衛隊の力が、国内外から注目されている。

以下は、ワシントン・ポスト紙の電子版の記事。いつもどおり意訳です。

Japan’s military steps up to provide services during crisis
日本の軍隊、危機の間は支援任務を拡大
(※

RIKUZENTAKATA, Japan ― More than three weeks after a 43-foot-high tsunami wave flattened this town, basic supplies now arrive under the canvas cover of fuming military trucks, property of the 9th Division of Japan’s Ground Self-Defense Forces.
日本 陸前高田市― 三週間ほど前、43フィートの津波がこの町を飲み込み平地にした。日用品が今、陸自の第9師団のキャンバス地の幕で覆われたトラック(73式)に運ばれ到着した。
(...)
A pair of natural disasters and an ensuing nuclear crisis turned Japan into a country of unfulfillable needs, but the incidents also created an opportunity for this pacifist nation to rely on its military at a level unseen since World War II.
自然災害と一連の原発危機は、人々の需要に対処できない国に変えてしまったが、一方でこの平和主義(平和ボケ)の国が、第二次世界大戦以来直面しなかったレベルまで軍隊(※)に頼らざるを得ない事態を引き起こした。
With local governments fractured and the Tokyo Electric Power Co. ill-equipped for a large-scale disaster, Japan’s Self-Defense Forces have emerged as the backbone of this country’s crisis management. And they have drawn praise from defense experts for their competence as they deliver aid, search for bodies in rubble and perform among the most dangerous tasks at the radiation-leaking Fukushima Daiichi nuclear plant.
地方自治体が滅茶苦茶になり、東電が大規模の災害に対処する能力がない中、この国の危機管理の主力として日本の自衛隊が活躍している。支援物資の輸送、瓦礫の山からの遺体の捜索、そして放射能が漏洩する福島第一原発のもっとも危険な任務で示された彼らの能力は、防衛の専門家から賞賛を得ている。
The SDF’s precision in this crisis has eroded some of the deep domestic cynicism about the role of ― and even the need for ― a military that fights only when under attack. Japan is one of the world’s most antimilitarist countries, a legacy of its post-war sensibilities.
例え必要なときでも、攻撃されなければ戦えない軍として揶揄されてきた国内の風当たりの強い世論は、自衛隊の危機に対する正確な対応を前に崩れている。日本は戦後の名残もあり、世界でも類稀な反軍国主義の国である。
Although the SDF performance in crisis management will not transform Japan’s pacifist constitution, it could lead to broader public support for defense spending ― particularly as the country faces growing threats from China and North Korea. It could also boost pro-military feelings among younger generations, who have been fed three weeks of media images featuring helmeted men in green.
自衛隊の危機管理に対する対応は、日本の平和主義的な憲法を決して変えはしないだろうが、とりわけ中国や北朝鮮の脅威が強まる中、防衛費に対する広い世論の支持を得られるだろう。若い世代の間では、メディアがここ3週間の間、緑のヘルメットを特に報道している影響もあり、自衛隊支持の気運が高まるだろう。


※militaryと記事で表記されてますが、自衛隊は軍隊ではないンですね。でも外国から見れば自衛隊は軍隊に違いない。PKOの際は、幹部自衛官の方々はこのあやふやな立場が故に悩まされていることを、「PKOの真実」という本を読んで知った。自衛隊が軍になるべきだと僕は考えているが、このことはまた他の記事で。

自衛隊は第一線の任務から補給まで、自前で行う「自己完結型」の組織。政府や自治体の手に余るような状況下で多くの責務が期待されている。

実は、僕はこの災害が起こる前に地元の戦車大隊を見学させてもらっていた。戦車にも乗せてもらい、隊員の方は僕の不躾な質問にも丁寧に応えてくださった。この国のために尽くせる仕事は何か?と真剣に模索し、自衛隊以上に貢献できる仕事はないと実感した矢先にこの震災が起きた。
自衛隊の活動は、毎日新聞でチェックしているが、本当に頭が下がる。

確かにワシントン・ポストが指摘する通り、これだけ脚光を浴びていることもあり、自衛隊を志願する若者は増えるかもしれない。不況で就職先に困る学生も多い。僕自身、そのことは身にしみて感じている。
しかし、実際はどうだろうか?僕はこないだ自衛隊の採用の説明会に参加して来たが、来ていた人は少なかった。国のために尽くす仕事、公務員と言えば聞こえはいいが、現実はとても厳しいことをみんなよく知っている。安定しているからとかいう安易な気持ちでは到底勤まらない仕事だろう。

本当の意味で、志願者数を増やすためには、日本を守り甲斐のある国にすることが肝心だと思う。それを主導していくのは政治家の務めだ。良い意味での愛国心、ナショナリズムを喚起していくことが重要だと、20代前半の若者が生意気にも考えてみたりする。

この災害派遣をきっかけに、政治家やマスコミの自衛隊に対する偏狭なものの見方が変わってくれることを期待したい。
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。