チリサン・ホセ鉱山の地下深くに閉じ込められた33人の鉱山労働者たちは今日、無事救出された。
NHKの7時のニュースで33人が救出されたのを時系列に、図まで用いて丁寧に解説されていた。
33.png

今回のコピアポ鉱山落盤事故で僕たちは事件の本質を見失ってはいないだろうか?と思わされる。チリ独立200周年と重なり、この救出劇でチリの国民が一致団結して救出を応援しナショナリズムが高まる様を、僕たちはTVやネット、新聞を通じて眺めているが、これはそもそも落盤事故という悲劇なのだ。お祭り騒ぎで果たして終わっていいのだろうか。

チリ鉱山労働者の悲劇は今に始まったことではない。僕が始めてチリ鉱山労働者の過酷な労働環境を知ったきっかけはエルネスト・ゲバラが書いたモーター・サイクルダイアリーズ(Diarios de motocicleta)だった。
ゲバラは南米縦断をした時、チリのチュキカマタ銅山を訪れ、労働者が極度の貧困状態で働かされている光景を見てショックを受ける。労働者が搾取されている姿を目の当たりにしたゲバラは2人の共産主義労働者と知り合いになっている。

ゲバラは南米旅行でラテンアメリカを帝国主義からの搾取から護る意志を固め、2度目の旅行でカストロさんと知り合いキューバ革命に参加したのだった。

今日のCubaDebateにネルーダの詩が掲載されていた。彼もまた南米ではチェ・ゲバラと同様に、左派のヒーローの一人だ。
Neruda y los mineros chilenos
ネルーダは1947年に上院で、国営の鉱山の労働者が極度の貧困で苦しんでいる様を訴え演説している。
同じチリ人の同胞が搾取に喘ぎ苦しんでいることに対し、憤りの念を彼は詩で表現している。
El Maestro Huerta (De la mina “La Despreciada”, Antofagasta)*
Cuando vaya usted al Norte, señor,
vaya a la mina “La Despreciada”,
y pregunte por el maestro Huerta.
Desde lejos no verá nada,
sino los grises arenales.
Luego, verá las estructuras,
el andarivel, los desmontes.
Las fatigas, los sufrimientos
no se ven, están bajo tierra
moviéndose, rompiendo seres,
o bien descansan, extendidos,
transformándose, silenciosos.
Era “picano” el maestro Huerta.
Medía 1.95 m.
Los picanos son los que rompen
el terreno hacia el desnivel,
cuando la veta se rebaja.
500 metros abajo,
con el agua hasta la cintura,
el picano pica que pica.
No sale del infierno sino
cada cuarenta y ocho horas,
hasta que las perforadoras
en la roca, en la oscuridad,
en el barro, dejan la pulpa
por donde camina la mina.
El maestro Huerta, gran picano,
parecía que llenaba el pique
con sus espaldas. Entraba
cantando como un capitán.
Salía agrietado, amarillo,
corcovado, reseco, y sus ojos
miraban como los de un muerto.
Después se arrastró por la mina.
Ya no pudo bajar al pique.
El antimonio le comió las tripas.
Enflaqueció, que daba miedo,
pero no podía andar.
Las piernas las tenía picadas
como por puntas, y como era
tan alto, parecía
como un fantasma hambriento
pidiendo sin pedir, usted sabe.
No tenía treinta años cumplidos.
Pregunto dónde está enterrado.
Nadie se lo podrá decir,
porque la arena y el viento derriban
y entierran las cruces, más tarde.
Es arriba, en “La Despreciada”,
donde trabajó el maestro Huerta.


サイレンが鳴り響くごとに労働者が救出される。
彼らは光を遮るために遮光のサングラスをかけているが、そのサングラスは彼らの素直な感情をも遮ってはいないだろうか?勿論救出されたことに対する感謝の念、歓喜などの感情も大きいだろう。しかし同時に自分たちを地下深くに長い間閉じ込めた落盤事故に対する憤りの感情も同じぐらい込み上げてきているのではないだろうか?
僕が鉱山労働者の立場ならこのような事態には我慢ならない。恐らく怒りの感情の方が勝ると思う。

映画化も決まったことは前の記事で紹介したが僕はこの救出劇を素直に受け止めることが出来ない。(チリ独立200周年を迎えて、地下でも33名が国家を斉唱Himno Nacional interpretado por los 33 mineros
でもCubaDebate(もともとはLa pupila insomneの記事)ネルーダの詩を掲載していることが意図するところは、僕の思っていることと通じているしているところがあったので紹介してみた。
この救出劇が独立記念200周年と重なり、無事救出できたことはチリのナショナリズムを高揚させ、先頭に立って見守ったチリの大統領ピニュエラさんの支持を高める結果になったが、この事件は単にハッピーエンドで終わらせて欲しくはない。

いろいろひねくれた見方はしてしまったが、ともあれ救出できたことはアッパレなので
ともはあれVia Chileっすねw

今回のチリの落盤事故の背景やアジェンデが倒れた後の、ピノチェトのことやピニュエラについて詳しく解説されていたので紹介します
「心折れてもおかしくなかった」・・・チリ・サンホセ鉱山・奇跡の全員生還
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今日はチリ独立200周年らしい。チリの新聞でもパレードや独立を祝ったフィエスタについて報道している。
地下の銅山労働者も国家を斉唱したそうだ。
Himno Nacional interpretado por los 33 mineros remece a asistentes a Fiesta Ciudadana

今年は南米では200周年を迎える国が多い。チリだけでなくメキシコやベネズエラも建国200周年、アルゼンチンは独立200周年を迎える。メキシコでは革命100周年を迎えレボルシオンなどの映画がラテンビート映画祭で公開されるのでまた駅ビルへ観に行こうと思う。ちなみに日本は韓国併合100周年を迎えるわけだが。。。。。前原外務大臣就任後の東アジア諸国に対する外交がどのような局面を迎えるかが気になる(また別の手記で書こう

映画といえばチリのこのサンホセ鉱山落盤事故の救出劇騒動を映画化する取り組みがあるらしい。題名はLos33
File_2010910152332.jpg
Rodrigo Ortúzar critica a quienes creen que su película sobre los mineros es "oportunista"
2012年に公開される予定と書かれているが、公開日から察するに救出作業はチビチビ進めるしかなさそうだ。外国の技術を借りればもっと早く救出できそうだが、恐らくプライドの高い南米のチリ人は自分たちの手で救出したいのだろう、その気持ちはよく分かる。
このLos33という映画には願わくば、なぜこのような落盤事故が起きたのか?チリの社会情勢も踏まえて製作して欲しい。今回の事故は悲劇のはずだが、独立200周年と重なるためか一種のお祭り騒ぎへと化している。チリの情勢はゲバラも言いようもなく不安定だと記しているが、この不幸な国について勉強していかなければならない。
恐らくこの落盤事故は氷山の一角に過ぎないだろう。
Estamos_bien_los_33.png
南米の国家はワールドカップなどで聞く機会が多いが、どこの国も独立を歌っている。そして聴けば元気が出てくる国歌が多い。僕はメキシコの国歌が一番好きだが、爽やかな出だしで始まるチリの国歌も好きだ。

Puro Chile es tu cielo azulado,
Puras brisas te cruzan también,
Y tu campo de flores bordado,
Es la copia feliz del Edén.
純粋なチリ、君の空は青い、
純粋なそよ風も君を横切る、
そして花々で刺繍された君の野原は、
エデンの幸せな写しだ

聴いているだけで、チリは美しい国なんだなぁって想ってしまう。政治情勢や苛酷な労働環境とは裏腹に、本来チリはアンデスの自然豊かな国なんだろう。
Majestuosa es la blanca montaña
Que te dió por baluarte el Señor,
Que te dió por baluarte el Señor
Y ese mar que tranquilo te baña,
Te promete un futuro esplendor,
君に砦として主が与えた、
君に砦として主が与えた。
そして穏やかに君をぬらす海は、
君に未来の輝きを約束する。

CORO:
Dulce Patria, recibe los votos
Con que Chile en tus aras juró
Que o la tumba serás de los libres
O el asilo contra la opresión,
Que o la tumba serás de los libres
O el asilo contra la opresión,
Que o la tumba serás de los libres
O el asilo contra la opresión......
CHORUS:
甘い祖国よ、誓いを受け取れ
それを、チリ、君の祭壇において誓った、
君が自由人たちの墓か
圧迫に対する避難所となるだろうことを、
君が自由人たちの墓か
圧迫に対する避難所となるだろうことを、
君が自由人たちの墓か
圧迫に対する避難所となるだろうことを、

サンホセ鉱山の地下700メートルで33人の銅山労働者はどのような思いでチリの国歌斉唱したのだろうか。
Puras brisas te cruzan también,y tu campo de flores bordado,es la copia feliz del Edén.
始めの爽やかなフレーズを謳い、蒸し暑く息苦しい地下で、少しでも安らかな気持ちになれたのだろうか。
早く彼らに本物のチリの青空を再び見せてあげて欲しい。