東北地方太平洋沖地震における災害派遣を海外のマスメディアは高く評価している。平時における国内では、シビリアンコントロールの名の下、文民の政治家に酷い扱いをされている自衛隊。
隊員の士気は高く、自己完結能力に優れた自衛隊の力が、国内外から注目されている。

以下は、ワシントン・ポスト紙の電子版の記事。いつもどおり意訳です。

Japan’s military steps up to provide services during crisis
日本の軍隊、危機の間は支援任務を拡大
(※

RIKUZENTAKATA, Japan ― More than three weeks after a 43-foot-high tsunami wave flattened this town, basic supplies now arrive under the canvas cover of fuming military trucks, property of the 9th Division of Japan’s Ground Self-Defense Forces.
日本 陸前高田市― 三週間ほど前、43フィートの津波がこの町を飲み込み平地にした。日用品が今、陸自の第9師団のキャンバス地の幕で覆われたトラック(73式)に運ばれ到着した。
(...)
A pair of natural disasters and an ensuing nuclear crisis turned Japan into a country of unfulfillable needs, but the incidents also created an opportunity for this pacifist nation to rely on its military at a level unseen since World War II.
自然災害と一連の原発危機は、人々の需要に対処できない国に変えてしまったが、一方でこの平和主義(平和ボケ)の国が、第二次世界大戦以来直面しなかったレベルまで軍隊(※)に頼らざるを得ない事態を引き起こした。
With local governments fractured and the Tokyo Electric Power Co. ill-equipped for a large-scale disaster, Japan’s Self-Defense Forces have emerged as the backbone of this country’s crisis management. And they have drawn praise from defense experts for their competence as they deliver aid, search for bodies in rubble and perform among the most dangerous tasks at the radiation-leaking Fukushima Daiichi nuclear plant.
地方自治体が滅茶苦茶になり、東電が大規模の災害に対処する能力がない中、この国の危機管理の主力として日本の自衛隊が活躍している。支援物資の輸送、瓦礫の山からの遺体の捜索、そして放射能が漏洩する福島第一原発のもっとも危険な任務で示された彼らの能力は、防衛の専門家から賞賛を得ている。
The SDF’s precision in this crisis has eroded some of the deep domestic cynicism about the role of ― and even the need for ― a military that fights only when under attack. Japan is one of the world’s most antimilitarist countries, a legacy of its post-war sensibilities.
例え必要なときでも、攻撃されなければ戦えない軍として揶揄されてきた国内の風当たりの強い世論は、自衛隊の危機に対する正確な対応を前に崩れている。日本は戦後の名残もあり、世界でも類稀な反軍国主義の国である。
Although the SDF performance in crisis management will not transform Japan’s pacifist constitution, it could lead to broader public support for defense spending ― particularly as the country faces growing threats from China and North Korea. It could also boost pro-military feelings among younger generations, who have been fed three weeks of media images featuring helmeted men in green.
自衛隊の危機管理に対する対応は、日本の平和主義的な憲法を決して変えはしないだろうが、とりわけ中国や北朝鮮の脅威が強まる中、防衛費に対する広い世論の支持を得られるだろう。若い世代の間では、メディアがここ3週間の間、緑のヘルメットを特に報道している影響もあり、自衛隊支持の気運が高まるだろう。


※militaryと記事で表記されてますが、自衛隊は軍隊ではないンですね。でも外国から見れば自衛隊は軍隊に違いない。PKOの際は、幹部自衛官の方々はこのあやふやな立場が故に悩まされていることを、「PKOの真実」という本を読んで知った。自衛隊が軍になるべきだと僕は考えているが、このことはまた他の記事で。

自衛隊は第一線の任務から補給まで、自前で行う「自己完結型」の組織。政府や自治体の手に余るような状況下で多くの責務が期待されている。

実は、僕はこの災害が起こる前に地元の戦車大隊を見学させてもらっていた。戦車にも乗せてもらい、隊員の方は僕の不躾な質問にも丁寧に応えてくださった。この国のために尽くせる仕事は何か?と真剣に模索し、自衛隊以上に貢献できる仕事はないと実感した矢先にこの震災が起きた。
自衛隊の活動は、毎日新聞でチェックしているが、本当に頭が下がる。

確かにワシントン・ポストが指摘する通り、これだけ脚光を浴びていることもあり、自衛隊を志願する若者は増えるかもしれない。不況で就職先に困る学生も多い。僕自身、そのことは身にしみて感じている。
しかし、実際はどうだろうか?僕はこないだ自衛隊の採用の説明会に参加して来たが、来ていた人は少なかった。国のために尽くす仕事、公務員と言えば聞こえはいいが、現実はとても厳しいことをみんなよく知っている。安定しているからとかいう安易な気持ちでは到底勤まらない仕事だろう。

本当の意味で、志願者数を増やすためには、日本を守り甲斐のある国にすることが肝心だと思う。それを主導していくのは政治家の務めだ。良い意味での愛国心、ナショナリズムを喚起していくことが重要だと、20代前半の若者が生意気にも考えてみたりする。

この災害派遣をきっかけに、政治家やマスコミの自衛隊に対する偏狭なものの見方が変わってくれることを期待したい。
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