今年はプラヤ・ヒロン侵攻から50周年目。俗にピッグス湾事件と呼ばれているが、これは事件ではなく、アメリカによる侵略。しかし、上記の間抜けな名称が用いられている。僕たちは、プラヤ・ヒロン侵攻(Invasión de Playa Girón)と呼ぶべきだろう。今日までアメリカとキューバは緊張関係にあるが、初めに仕掛けてきたのは、アンクルサムの方だったことを忘れてはならない。

今日は、50周年という節目ということもあり、Cuba Debateでは予想通りこの侵攻事件が取り上げられていた。このブログでも時間が許す限り、何回かに分けて、私見を交えてではあるが、僕なりに解説してみようと思う。僕たちが学ぶべきことも多々あると思うからだ。キチンと勉強したい人は、末尾の参考文献、参考動画をぜひ参照してもらいたい。

湾岸への奇襲は真珠湾攻撃が有名。あれから70年以上経ったわけだが、今も世界中の人々の記憶に残っている。旧日本帝国軍によるパール・ハーバーへの攻撃についてはいろいろな説があり、この記事の趣旨から逸れるので詳しく触れないが、一般的に卑劣な侵略行為の例として用いられる。一方、プラヤ・ヒロン侵攻のことを理解している人はどれ程いるのだろうか?

今からちょうど50年前の4月15日に、突如現れたB-26がキューバで最大の軍基地であるコロンビア兵営の滑走路を空襲した。CIAによる工作で、キューバ空軍の戦闘機に偽装されたこのB-26は、亡命キューバ人がニカラグアより発進させた物だった。
newyorktimesescrito.jpg
1961年1月16日のニューヨーク・タイムズの一面記事。
アメリカが秘密裏にグアテマラの基地で、反カストロ勢力を養成していることを伝えている。ちなみにその左に書かれているのはケネディがアイゼンハワー元大統領と会談。ケネディは前政権から、書く吐露妥当計画を引き継いだ。

この卑劣な攻撃に対し、フィデル・カストロ(以下フィデル)は、真珠湾を例に出して次のように演説した。以下は末尾参考文献を参照しつつも意訳

Si el ataque a Pearl Harbor fue considerado por el pueblo de Estados Unidos como un crimen y como un acto traicionero y cobarde, nuestro pueblo tiene derecho a considerar el ataque imperialista de ayer como un hecho dos veces criminal, dos veces artero, dos veces traicionero ¡y mil veces cobarde! (Aplausos y exclamaciones de: “¡Cuba sí, yankis no!”)
仮に真珠湾攻撃をアメリカ人が考えるように、卑劣な裏切りによる重大な犯罪行為と捉えるならば、我々キューバ人民は、昨日の帝国主義者による襲撃に対して次のように言う権利がある。我々が受けた襲撃は、真珠湾攻撃より、裏切り行為としては2倍犯罪的で、一千倍卑劣であると!
(キューバ、イエス ヤンキー、ノーの叫びと共に拍手)


百聞は一見に如かず。このyoutubeにアップされている動画は、Caminos de la Revolucionというキューバ国内で作成されたドキュメンタリー映画のプラヤ・ヒロンの部分。スペイン語だが、1:15からフィデルが必死に演説しているのが聴ける貴重な資料。
後半では、フィデル自らが戦場で指揮をとっている様子などが様子が観れる(軍事的な解説は別の記事で)

フィデルはこの演説で初めて、「社会主義革命Revolución socialista」という言葉を用いた。
以下は↑の動画内で、フィデルが演説を行っている箇所。。
演説の全文:Discurso pronunciado en las Honras Fúnebres de las Víctimas del Bombardeo a distintos puntos de la República, efectuado en 23 y 12, frente al Cementerio de Colón, el día 16 de abril de 1961.

Eso es lo que no pueden perdonarnos, que estemos ahí en sus narices ¡y que hayamos hecho una Revolución socialista en las propias narices de Estados Unidos! (Aplausos y exclamaciones de: “¡Pa’lante y pa’lante, y al que no le guste que tome purgante!”)
帝国主義者の輩が我らを許せないのは、アメリカ合衆国の鼻先で社会主義革命を達成したからだ!
¡Y que esa Revolución socialista la defendemos con esos fusiles! (Aplausos)
我々が銃を構え、この社会主義革命を守るつもりでいるからなのだ!
; ¡y que esa Revolución socialista la defendemos con el valor con que ayer nuestros artilleros antiaéreos acribillaron a balazos a los aviones agresores!


fidel playa giron
上記の4月16日の演説。

【参考資料】

冒険者カストロ (集英社文庫)冒険者カストロ (集英社文庫)
(2005/11/18)
佐々木 譲

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第23章 コチノス湾の謀略を参照
以前も紹介しましたが、この佐々木さんの本は良書。とても分かりやすいし、キューバ革命について知らない人には読んでほしい書籍です。


フィデル・カストロ――みずから語る革命家人生(上)フィデル・カストロ――みずから語る革命家人生(上)
(2011/02/04)
イグナシオ・ラモネ、フィデル・カストロ 他

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第12章 ヒロン浜侵攻事件
最近出たばかりの、インタビュー本。僕は思い切って購入しちゃいました。。。


ニコ動にアップされている、キューバ危機を扱った傑作ドキュメンタリー。
このドキュメンタリーの良い所は、キューバ危機の発端となった背景がしっかり解説されている点。キューバ危機を扱った作品は多いが、キューバサイドからの視点があまり言及されていない作品が多い。プラヤ・ヒロンを理解するうえでもかなり役立ちます(動画内2:30~)
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