今月の頭にシンガポールで、「アジア安全保障会議」が開かれ各主要国が話し合った。去年の末に起きた延坪(よんぴょん)島砲撃事件尖閣諸島中国漁船衝突事件が記憶に新しい。最近も、南シナ ベトナムが緊迫化するなどアジア情勢は穏やかではない。
そんなこともあってか、こないだ僕が受験してきた某試験では、「中国の軍事力強化について概要を示し、思うところを述べなさい」という題の小論文試験が課せられた。この試験は受験生が多いためか3日間に渡るのだが、僕の翌日の試験では「最近の朝鮮半島情勢」について出題されたらしい。僕はどっちも殆んど新聞で読んだぐらいの知識量しかなく、御題を見た瞬間、どうしよぉ。。。と思ったが、どうやら小川 和久さんの「もしも日本が戦争に巻き込まれたら! 日本の「戦争力」vs.北朝鮮、中国 (2時間でよくわかる!)」を読んでおいたほうがよかったようだ。。図書館から借りてきていたんですが、あまりキナ臭いお題は出ないだろうと思い、読まなかった判断が間違っていたようだ。。

もしも日本が戦争に巻き込まれたら!  日本の「戦争力」vs.北朝鮮、中国 (2時間でよくわかる!)もしも日本が戦争に巻き込まれたら! 日本の「戦争力」vs.北朝鮮、中国 (2時間でよくわかる!)
(2011/02/02)
小川 和久、坂本 衛 他

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ニコニコ動画でも、話されていたようですね。
ちなみに小川 和久さんは僕の母校のOBの方。なぜ神学部からJSDFへ行かれたのか疑問に感じるが、そんなこと言ったら、どこの学部出身者だったら行くンだよ?って突っ込まれそうですね。ちなみに面接で言われて始めて知ったのですが、僕の母校には幹部で勤めている人が多いようです。

この本のpart2のもしも、「中国の戦争」に日本が巻き込まれていたら?」を読んでいたら、概要を示せの箇所はマシなことを小論文で書くことが出来たかもしれないと思うと、悔やまれます。
尖閣諸島中国漁船衝突映像流出事件では、映像を流出させた海上保安庁の職員が、英雄視されたのは胸がムカつく思いだったのを覚えている。ナマの情報を観る時代~尖閣諸島のビデオがネット上に流出という記事を書いていた頃、当初はこの映像流出は政治的なモノが絡んでいるのではないかと疑ったものだ。那覇地検による中国人船長の釈放も、司法が外交に口出ししたようで解せなかった。小川さんも、この著作で「那覇地検が日中関係を熟慮した結果、釈放したのであれば、総理は直ちに検事総長を更迭しなければならないが、そういう展開にならなかったのは、官邸が検察に責任を転嫁したからだ。この政治判断の誤りは、歴史に残る大失策だ。」とまとめられている。まったくその通りだ!

しかし、それ以上に腹立たしかったのは、海上保安庁の職員が、英雄視されたことだった。この点も小川さんと見解が一致する。マスメディアは、流出したサイレンが鳴り響く映像を連日ニュースで流し、問題の本質をあまり報じない姿勢を、私は疑問に感じると述べられている。そして、沿岸警備を職務とする公務員である保安庁職員が遵法精神を逸脱し映像を流出させたことは、絶対にあってはならない国家に対する反逆であるに違いない。世論が当時、この職員を同情心から英雄視したのは、理解に苦しんだものだ。公務員が遵法精神を貫かないことは大問題であり、厳しい行政処分をされるのが然るべき有り様。例え、政治判断に不手際があっても、それとこれとは別問題であることは明らかだった。とはいえ、保安庁の職員方の心痛を思うと同情的にはなるもの。。。。それでも公務員は法を破り、職務を逸脱してはいけない。

なンか感情を剥き出しにしてしまいましたが、小川さんの見解は僕の考え方と合致していて、読み終わってホっとした。小論文試験では、概要を示し、尖閣問題に触れ将来このような領土問題における局所的な紛争は起こり得るだろうと述べた。しかし、わが祖国と中国との間で戦争が起こる可能性は極めて少ないと思う。第一に日本と中国は経済的互恵関係(戦略的の間違い)にあり持ちつ持たれつの関係にあること、そして日米安全保障下での中国の侵略はアメリカの介入に繋がりかねない。この2点から中国が日本へ侵攻するメリットがないことは明らか的なことを書いた。
今回の東日本大震災では日米間の見事な連携が示された。今後もわが祖国の有事に備え、日米間の連携を進めていくこと、そして中国の脅威を日米で抑止していくことが肝心であると締めくくった。

要は中国を脅威といって騒ぎ立てる理由はない。戦略的互恵関係と日米安保を考えれば、戦争が起こる可能性は極めて小さいということ、そしてアメリカとの関係を今後も重視していくべきこと書いたンですが、小川さんの著作と大枠からは外れていないようです。脅威論は小川さん風に言えば、「木を見て森を見ず」ということになる、しかしこの安全保障はアメリカの存在があってこそ成り立つのが現実というわけなンですね。

ただ、この著書を読んで初めて知った、中国の人民解放軍と日本の自衛隊の間にある太いパイプ、対話チャンネルの存在について触れておきたかった。「セカンド・トラック(通称トラック2)」という公式なものとは別のパイプを設けて、専門家による準公式協議をおこないながら、互いの意思疎通を確かなものにする装置。要は本音で語り合える場があるってことですね。

小川さんは、自衛隊と人民解放軍のトラック2のような本音ベースの交流を、官民さまざまなレベルで拡大していくべきだと、まとめられた。日本も中国も、互いに「もっとも嫌いな国」として悪い印象を持っているが、トラック2に見習い互いにもっと交流していかないといけませんね。僕も大学時代に、中国人の編入生と何度か話していましたが、本当に日本語が上手です。僕が講義のノートを見せてあげたら中国語を少し教えてくれました。

僕はどちらかといえば、中国の文化大革命などの狂気の歴史が頭から離れず、悪い印象を持っている人間ですが、良い人もたくさん中国人にはいると思います。国民性は日本人と全然違いますが、互いの歴史認識、文化を知り、納得できなくても触れ合い、本音で語り合うことが大事なのかも知れませんね。
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