15日にU2スパイ機がキューバのミサイルを確認し、10月22日にケネディ大統領がTV演説を行うまでのあいだ、様々な対応策が検討された。そのうちの一つにはケネディ大統領とカストロさんとの間での交渉もあったことが明らかにされた。交渉の為に作成されたケネディ大統領による Mr. F.C.(カストロさん)へ宛てた書簡の草稿を下記のNational Security Archivリンクの末尾でPDF文章で閲覧できる。
CUBAN MISSILE CRISIS REVELATIONS: KENNEDY'S SECRET APPROACH TO CASTRO
貴国におけるソ連によるミサイル配備は西側陣営の脅威となり、革命政権を打倒する口実になり得るという脅しが記されている。しかしこの案はキューバに合衆国が既にミサイルの脅威を認知していることを知らせるリスクを伴い、空襲案が損なわれる恐れがあった。このカストロさんへのアプローチ策は興味深いので項を改めて書く。

最終的に、海上封鎖か空襲によるミサイルの除去かの選択に直面したケネディ大統領は、前者を選択したのは歴史が示した通り。用意された海上封鎖案の原稿が22日読まれた。しかし、後者の空爆の方の原稿もしっかり存在していた。50周年を記念するニュース内でその一部がケネディ・ライブラリーから引用していた。
“My fellow Americans, with a heavy heart, and in necessary fulfilment of my oath of office, I have ordered - and the United States Air Force has now carried out - military operations with conventional weapons only, to remove a major nuclear weapons build-up from the soil of Cuba.”
わがアメリカ国民のみなさん。私は心にのしかかる重圧に耐えつつ、私は就任時の誓いを果たすべく命令を下しました。合衆国空軍は通常兵器のみを行使し、キューバの国土から配備された主要な核兵器を取り除く作戦を、たったいま実行に移りました。

Revealed: The exact words JFK would have used to announce World War III after Cuban Missile Crisis, and a mafia-assisted plot to kill Fidel Castro and Che Guevara-The Independent
空爆演説草稿自体は、30年前にすでに公開されている。
余談だが、この記事の末尾では見出しが示す通りマフィアによるカストロ兄弟、ゲバラの暗殺計画が記されている。フィデルに10万ドル、弟とゲバラにそれぞれ2万ドル費やされた。愚かな話だ。

ほかにも機密解除された文章がある。今朝、FBページでも紹介したが国防省による上陸作戦の損失見積もりだ。
Pentagon Estimated 18,500 U.S. Casualties in Cuba Invasion 1962, But If Nukes Launched, "Heavy Losses" Expected
ペンタゴンは上陸作戦が決行された場合を想定し、その際の最初の10日間における合衆国兵の犠牲者数を見積もっていた。核爆発がなくても18500もの犠牲者が出ると。もし核ミサイルが発射されれば、損害額は14億ドル以上に上ると会計士は算出していた。リンク先のマップではサン・クリストバルに設置されたミサイルを除去すべく上陸軍の進路が示されている。しかし、そこに待ちかまえていたのは全土で配備されている兵力の半分。かの伝説のゲリラ戦士チェ・ゲバラが最後の抵抗地点として受け持った地域だ。核兵器が用いられなくてもペンタゴンが見積もった犠牲者は出たことだろう。。

しかし実際には戦術核兵器はしっかり配備されていた。ルナと呼ばれるもので、もし侵略軍が上陸することがあれば、カリブ海にキノコ雲があがっていただろう。。そうなればもう歯止めはかからない。世界規模の核戦争が始まり今頃、核の冬を迎えていたかもしれない。

戦術核と言えばもう一つ機密文章があった。危機終結後、戦略核兵器は撤収されたことは皆が知っていることだが、実は作戦レベルで使用される戦術核は危機終結後もキューバに残っていたのだ。危機後に戦術核を巡ってソ連のアナスタス・ミコヤンとカストロさんが話し合われるのだが、その一部始終をミコヤンの息子さんが本にまとめられたそうだ。
The Soviet Cuban Missile Crisis:Castro, Mikoyan, Kennedy, Khrushchev, and the Missiles of November

いろいろ書いたが、まだ表面的にしか書いてないのでまた項を改めて、それぞれのテーマについて別の記事で触れたい。
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