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今日の深夜、BSで「オリバー・ストーンが語る もうひとつのアメリカ史」第6話が再放送されます。 この回はキューバ危機がテーマでケネディ大統領に焦点が当てられています。前半では危機に至るまでの経緯、ピッグズ湾事件、マングース作戦などが解説され、視聴者は合衆国の非道に対し憤りを感じることになりますが、この回の総括ではストーン監督はケネディ大統領を称えられています。

特に1963年6月のアメリカン大学の卒業式でのケネディ大統領の演説を、ストーン監督が「20世紀での大統領演説で最もずば抜けたものの一つ」one of the most extraordinary presidential speeches of the 20th century として扱われ、この回だけでなく第2話でも取り上げられていました。

No nation in the history of battle ever suffered more than the Soviet Union suffered in the course of the Second World War. At least 20 million lost their lives. Countless millions of homes and farms were burned or sacked. A third of the nation's territory, including nearly two thirds of its industrial base, was turned into a wasteland--a loss equivalent to the devastation of this country east of Chicago.
歴史をふりかえると、第二次世界大戦中にもっとも大きな苦難を味わったのはソ連でした。少なくとも2000万人が命を落とし、多くの住居や農園が焼失し、略奪の被害を受けました。国土の3分の1、工業地帯の3分の2が荒廃に帰し、これはわが国でシカゴより東の地域が全滅することに匹敵します。
※上記訳は下記のJFKライブラリーの日本語訳から引用。
アメリカン大学卒業式での演説John F. Kennedy Presidential Library & Museum

ストーン監督がこの演説を「最もずば抜けた」と評される理由の一つに、ケネディ大統領が自国の立場だけではなくソ連の立場をも踏まえている点が挙げられる。監督は第2話で第二次世界大戦中フランクリン・デラノ・ルーズベルト(FDR)大統領が上記のケネディ演説で触れられているソ連の人民の苦しみを認識されていた点を強調されていた。FDRとJFKは合衆国大統領という難しい立場にありながら、相手の立場に立って考えることが出来る能力、empathyに長けていた。

オックスフォード辞典によるとempathyとは 「他人の気持ちや感情などを理解する能力」とある。
the ability to understand another person's feelings, experience, etc

empathyについてはマクナマラさんも映画「霧の中の戦争」で強調されていた。
We must try to put ourselves inside their skin and look at us through their eyes, just to understand the thoughts that lie behind their decisions and their actions.
-The Fog of War #1: Empathize with your enemy.

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2012.10.19 霧の中の戦争THE FOG OF WAR~理性はわれわれを救わない~

ケネディ大統領はソ連だけでなく、キューバに対してもempathyをしめされた。「オリバー・ストーンが語る もうひとつのアメリカ史」第6話ではフランス人ジャーナリスト、ジャン・ダニエル氏を通じてケネディ大統領がカストロさんへ関係改善を働きかけようと試みられたことが紹介されていた。ケネディ大統領のキューバ革命に対する共感はカストロさんの心をつかみ、カストロさんも合衆国が望むなら関係改善を考えると応えられたのだが、これはまた別の記事で取り上げます。

empathyに長けていたのはケネディ大統領だけではなかった。フルシチョフ大統領も合衆国の立場を考え、自身が弱腰だと非難されるのを承知で相手に譲歩された。もし米ソ両国の指導者がempathyに長けていなかったらキューバ危機は核戦争に発展していたのだろうか。。。
2012.10.26 ニキータ・フルシチョフの手紙

ところで日本にはempathyに長けた指導者はいるのだろうか?小泉首相の「痛みに耐えてよく頑張った! 感動した!」の発言はempathyを体現する言葉の様に聞こえるが、彼は構造改革に伴う国民の「痛み」を充分理解していたかどうかは疑わしい。友愛を叫ばれた鳩山首相はどうだろうか?合衆国をいたずらに刺激し辞任に追い込まれ評判が悪い人だが、彼が日本をどこへ導こうとしていたか真相は闇の中だ。たしかなことは鳩山首相にはempathyではなくtelepathyがあったということだろう。

くだらない冗談はさておき、こうして考えるとケネディ大統領は偉大な大統領のように思える。しかし、いままでこのブログで取り上げてきたようにケネディ大統領はキューバに対して人道に反することも行ってきたことも確かだ。危機の際は偽善的な演説を行われキューバの国民感情をさかなでした。ゲバラも演説でケネディ大統領を名指しで非難していた。

ケネディ大統領はアフリカ大陸や南米大陸で、別のキューバ革命が起きることを許さなかった。ケネディもアイゼンハワー大統領らのように帝国主義者であり、この姿勢は彼の後継者ジョンソン大統領にも受け継がれていると演説で訴えるゲバラ。 
El imperialismo empezó a prepararse tambien, para ahogar en sangre las nuevas Cubas que puedan existir.Y antes de morir ya Kennedy habia dicho que no admitiria nuevas Cubas en el continente, y lo han reiterado sus sucesores, que además son lobos de la misma camada asi que no habria porque pensar que fueran a tener una filosofia diferente.

ところでゲバラにもempathyがあったのだろうか。Mark Falcoff氏はゲバラがイコンとなったのは、貧しい国々の人たちの象徴だったからではなく、豊かな西側の甘やかされた若者のあいだで共感を呼び起こしたから、と評されている。
What has made Guevara a cultural icon is not his example for poor countries, but his capacity to provoke empathy among the spoiled youth of the affluent West.
Mark Falcoff, in "He Thinks We Still Care" a review of Che Guevara: A Revolutionary Life :by Jon Lee Anderson, in The American Spectator, Vol. 30, No. 6 (June 1997)
Che Guevara wikiquote English
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