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普天間、北朝鮮、そして中国との尖閣諸島問題。極東情勢が緊迫化する中で、日本の安全保障について関心を持ち、孫崎さんの著作を読むことにした。予想していたよりも中々興味深い記述が多くて楽しく(不謹慎だが)読み進めることが出来た。

日米同盟の正体~迷走する安全保障 (講談社現代新書)日米同盟の正体~迷走する安全保障 (講談社現代新書)
(2009/03/19)
孫崎 享

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孫子の教えに次の有名な一節がある
故に上兵は謀を伐つ。
其の次ぎは交を伐つ。その次は兵を伐つ。
その下は城を攻む。
攻城の法は、已むを得ざるが為めなり。

著者の孫崎さんは日本には肝心の謀を伐つ上兵がいないことを指摘されている。
日本人は戦術は出来ても戦略的思考に弱いことはなんとなく知っていたが、僕が思っていた以上に日本にこの謀に長けた人がいないことを知りショックを受けた。。。。
官民問わず日本には戦略的思考を育てる風土がない。違った考え方をすればKYと言われるような社会を築き上げたのもCIAの工作が背後にあったのではないかと疑いたくもなる。
ただ盲目に切磋琢磨に生産活動に勤しみ、従順な消費者がいればそれでいい、確かに日本はCIAの工作の傑作だろう。

著者が指摘されている通り日本には謀を一笑する傾向があると思う。
ベトナム戦争の発端がトンキン湾事件という茶番で始まったことや、カストロさんに対する600回以上の暗殺(これは前にカストロ謀殺指令という本の書評を書いたので参照してほしい。
僕はトンキン湾事件は確か映像の世紀を観て初めて知ったのだが、当時はまだ中学生ということもあって「え?!こんなこと歴史の教科書に載ってないぞ?」ってな感じでショックを受けたことを記憶している。これは陰謀論ではなく史実なのだ。
重要なのは陰謀論と謀(はかりごと)はしっかり区別することだろう。これらの事件は氷山の一角で、アンクルサムが過去にやってきた謀略はトンキン湾やピッグス湾以外にも枚挙に暇がない。日本人が謀に対して一笑に帰するのは自分たちが戦略的思考をすることを某国に許されてないが為、逃げて誤魔化しているのだと私見ながら僕はそう解釈している。しかし、いつまでも目をつぶり現実から逃避することも出来ないだろう。冷戦が終わった今日では、専守防衛の時代ほど甘ったるくはない。

孫崎さんのこの本はどの章も興味深かったが中でも最後の2章が興味深かった
第7章の21世紀の核戦略を読むと、最近カストロさんが核問題に対してかなり危機感を持っていることがよく分かる。ついこないだも核兵器はホモ・サピエンス、つまり人類の生存を脅かすという大層な社説を書かれているが、クラウゼヴィッツの理論が適用されていることを知り、カストロさんが行っていることも強ち大げさではないと感じられた。
Las armas nucleares y la supervivencia del Homo Sapiens

最後の章ではこれから日本が歩むべき道を、著者の見解を基に解説されている。
安全保障を考える上で重要なのは、北朝鮮の核のに対する脅威が日米間で異なることを指摘されたが考えてみれば当然のことか。キューバ危機の際にすぐ近くに核を配備されたことに対してアメリカは自国を滅ぼしかねない脅威に震撼し、人類滅亡の一歩手前まで核の時計が進んだ。しかし北朝鮮からテポドンが発射されようがアンクルサムにとっては対岸の火事に過ぎない。アメリカに頼りきることの危なさがこんな当たり前のことからも分かる。

核を保有しない日本が自国のいかに防衛するかという観点から考えればグローバリゼーションを進めていくことが大事だということが分かる。グローバル化は負の側面もあり、カストロさんらを始め第三国では歓迎されてないが、例え脅威の国でも国際経済に組み込ませれば、戦争を防止することが出来る。こないだ尖閣問題で出てきた戦略的互恵関係とかいう言葉もそのあたりの考え方に由来している。中国共産党はナショナリズムと経済成長を人民の支持の拠り所にしているから、経済成長を損なうことは出来ない。つまりそれは日本との関係を損なうことが出来ないことをも意味する。
日本の安全保障での当面の課題は、早い段階で北朝鮮を国際経済の一員に迎えることだろう。

最近のアジア情勢と孫崎さんのこの本と絡めて解説されてるブログがあって参考になりました。

アジアの時代だ、アジアの協調だと、無知な政治家たちは甘い言葉を口にする。しかも、中国にむかって一方的に言っているのだ。こんな恐ろしい話はない。世界中の貧乏な人々が、金持ちの、世界最大の対外純資産保有国の日本が倒れるのを楽しみにしているとしたら、話は違ってくるはずだ。第4章とやや重なるが、大切な観点なので、改めて触れておきたい。日本が世界最大の対外純資産保有国で、いまもなお対外資産を積み重ねていると...
金持ち日本が戦争に負ければ、世界中が喜ぶ!?



ついこないだの尖閣諸島の問題について著者が解説されてますね。独自の見解を言われる方で面白いのでまた、新しい著書も読んでみようと思う。


白熱の演説で話題になっている稲田朋美さんの演説の最後(28分~)に安全保障問題について触れている。
要は護る意志の問題だ!
と言われましたが、全くその通りですw今の首相には自国を防衛する意志が感じられませんね。。。。
これは日米安全保障以前の問題だと思います。


文献リストが巻末で紹介されていたが、僕が面白そうだなって思った本をリンクで並べてみた。
<戦略論>
クラウゼヴィッツと『戦争論』 [単行本]清水 多吉 (編集), 石津 朋之 (編集)
リデルハート戦略論 間接的アプローチ 上 [単行本]B・H・リデルハート (著), 市川良一 (翻訳)
新訂 孫子 (岩波文庫) [文庫]金谷 治 (翻訳)
<自叙伝>
マクナマラ回顧録 ベトナムの悲劇と教訓 [単行本]ロバート・マクナマラ (著), 仲 晃 (翻訳)
キッシンジャー秘録 第1巻 ワシントンの苦悩 [-]ヘンリー・アルフレド・キッシンジャー (著)
<スパイ小説>
寒い国から帰ってきたスパイ (ハヤカワ文庫 NV 174) [文庫]ジョン・ル・カレ (著), 宇野 利泰 (翻訳)
デセプション・ポイント〈上〉 (角川文庫) [文庫]ダン ブラウン (著), Dan Brown (原著), 越前 敏弥 (翻訳)
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