先日、キューバの葉巻をこよなく愛されている方から、刊行されている雑誌「Légende レジャンド」をいただきました。 特集記事「世界最高のハバナ・シガー、コイーバ祝50周年!」ではカストロさんと深い関わりのあるこの葉巻の誕生話や世界中の葉巻愛好家が最高の葉巻を求めて集うハバノス・フェスティバルについて記されています。
 2002年に開催された第4回ハバノス・フェスティバルの最終日に催されたガラディナーとヒュミドール・オークションに参加されたカストロさんの写真が掲載されており、葉巻を嗜まない私にとっても興味深い内容です。このオークションの様子はAP通信のアーカイブ動画で観ることが出来ます。

 葉巻を保存するために使用されるヒュミドールにサインをされるカストロさんや、映画『ブエナ・ビスタ・ソシアル・クラブ』で日本でも名が知られているコンパイ・セグンドさんがステージに立たれ、葉巻愛好家の祭りがフィナーレを迎える様子がアーカイブ動画で記録されています。世界中で名が知られている2人が出席されている記録映像からは、葉巻がキューバにとっていかに重要な産業であるかが伝わってきますね。

葉巻はゲバラやカストロさんのトレードマークですが、それ以上の存在であることを知ったのが合衆国の葉巻雑誌Cigar Aficionado(シガー・アフィショナード)のカストロさんへのインタビュー記事。いただいた雑誌「Légende レジャンド」に掲載されていた写真に、この取材記事が掲載されている「シガー・アフィショナード」の表紙があるのですが、コイーバと共にカストロさんが笑顔で写られています。

 「シガー・アフィショナード」のホームページで、この取材記事を閲覧することが出来ます。インタビューが行われたのは94年、ソ連崩壊後、合衆国がここぞとばかりに経済封鎖を強化し、キューバが物資不足の苦境に陥っていた時代。

 取材をされたマーヴィン・シャンケン氏の夢はコイーバが生産されているキューバ西部のブエルタ・アバホを訪問することと、カストロさんと葉巻について語ること。取材前にいよいよ2つ目の夢が叶おうとしている当時の興奮が冒頭で記されています。シャンケン氏の雑誌を愛読されているカストロさんですが、葉巻の話題について嬉々と語られた様子が記事の文面から伝わってきます。カストロさん自身は取材された当時からさかのぼること8年前に禁煙されていたのですが、、禁煙を始められた正確な日付まで覚えられていたという。

初めて葉巻を嗜まれたのは15歳のときで、禁煙された59歳までの44年間、葉巻はカストロさんと共にあった。海外の記者を迎えた取材会見等の写真では、カストロさんの手には、いつでも葉巻がありました。CIAはカストロさんの葉巻に爆薬を仕掛け暗殺を謀ったほどです。カストロさんが喫煙を止められたのは、暗殺から逃れるためではなく、キューバの禁煙運動の一貫で模範を示すため。当初は自身の健康の為ではなく、副流煙が周りにいる人の健康を害さないようにとの配慮から禁煙を始められたようです。ゲバラと同様、葉巻のイメージが強いカストロさんですが禁煙された時期は85年と意外と早く、その動機も意外なものでした。 


 インタビューでゲバラとの葉巻の思い出についての質問で、彼はアルゼンチンのアサードど同じぐらい葉巻を嗜んだと応えられています。
 
 シエラ・マエストラでゲリラ戦を指揮されていたとき、葉巻が乏しくなったときは胸ポケットに一本だけ残し、報告を聞かれるときに吸われたという。吉報なら葉巻で祝い、凶報なら葉巻が慰めになったそうです。 シャンケン氏の取材は94年に行われましたが、もしクリントン大統領と会われることがあれば、両国の友好のシンボルとして一緒に葉巻を吸われますか?という問いに対しては、かつてシエラ・マエストラで祝ったように、葉巻で両国の友好を祝福したいと応えられました。ただし、世界保健機関(WHO)に示してきた禁煙運動の示しは損ないたくないと。

 むかしと違って喫煙者への目線が厳しくなってきているのが時代の流れ。 シャンケン氏によると、ビル・クリントンの奥さんのヒラリー・クリントンは当時、ホワイト・ハウスでの喫煙を禁止したという。・クリントン大統領はやむを得ず葉巻を噛んでいるだけだと。これを聞いてカストロさんは、ホワイトハウスでの両国首脳間の葉巻での平和の契りを諦められました。

 対キューバ経済封鎖はシャンケン氏のような合衆国の葉巻愛好家にとっては大きな障壁となっていますが、両国が国交正常化へ歩み始めた今日においても続いています。次期大統領として最も有力というより確実なヒラリー・クリントンは、喫煙者に対し寛容でないことは確かですが、この問題に対しどう取り組むか注目されます。
 
 コイーバが1966年に誕生して50年を迎えた今年。来年はゲバラ没後50周年を迎えます。半世紀という歳月が経っても、ゲバラが世界中の人々から愛されているように、コイーバも根強い人気を誇っているようです。 



73年に北ベトナムを訪問された際、ライフルを手にしながら葉巻を楽しまれているカストロさん。外遊先でもコイーバは欠かせない。
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