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 帰宅後、NHKのニュースウォッチにチャンネルを合わせると首相がハバナで記者会見を行いその中継映像が映っていて驚いた。キューバ側のメディアは積極的に今回の安倍首相の訪問を報じてはいないが、国内メディアはいち早くカストロさんと安倍首相の会談の様子を伝えた。

 興味深いのはこの会談で、主に安全保障について話されたことだ。NHKによると、

北朝鮮が核実験や弾道ミサイルの発射を繰り返していることなどをめぐって意見を交わされた(...)安倍総理大臣は「1995年と2003年のカストロ前議長の訪日によって、2国間関係は大きく進展した。2003年の訪日で、前議長が広島を訪問して被爆の実相に触れ、『人類はこのような経験を二度と繰り返してはいけない』と記帳したことは、日本国民に深い感銘を与え、国際社会への強いメッセージとなった」と述べました。
これに対し、カストロ前議長は「日本がさまざまな分野で努力を重ね、世界に貢献していることに感銘を受けている」と述べました。

という。
 
 日本側の意図は明確だ。経済援助と引き換えに、北朝鮮の核兵器開発をやめさせるようキューバに協力を求めることに会談の目的があったようだが、これはなかなかキューバの真価を見極めた外交戦略ではないかと感じた。
 キューバは核戦争の危機が勃発した国で、その後カストロさんは長年にわたって核兵器廃絶を国際舞台の場で訴えかけられて来られた。それだけに、北朝鮮の核問題の対処を視野に入れた核廃絶についての対談し核兵器廃絶の想いで両国が一致したことが、メディアによって対外的に発信されることは、わが国の安全保障において一定の効力があるのではないだろうか。
 また、国境を接する中国を通じた対話と違い、地理的に遠いキューバとのパイプは、交渉の窓口としては理想的ではないかと思う。

 一点気になるのは、首相がカストロさんが広島で記された「平和のメッセージ」を次のように引用された点だ。NHKによると

『人類はこのような経験を二度と繰り返してはいけない』


と引用されたそうだが、原文は「“Que jamás vuelva a ocurrir semejante barbarie” このような蛮行は二度と起こしてはいけません。」である。semejante barbarie(このような蛮行)が「経験」と訳されていますがこれは合衆国への配慮からだろうか。

 以前の記事で書きましたが、カストロさんはオバマ大統領が広島を訪問された際、謝罪しなかったことを非難された。早期戦争終結に広島への核兵器使用は必要であったというのが合衆国の言い分ではあるが、広島への原爆投下は冷戦構造を作るための見せしめであったことは明らかだ。しかしながら、合衆国の蛮行を非難できないのがわが国の実情である。それが今回の引用文で如実に表れている様に感じられた。
2016.08.13 カストロさん、誕生日の手記で核兵器の脅威を訴えられる~卒寿祝いに90メートルの葉巻~
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