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昨日紹介したリティン監督のドキュメンタリーの製作過程を記した、ガルシア・マルケスのルポタージュが面白い。
岩波書店の編集部のおすすめのコラムで紹介されています。
特に印象に残ったのが第3章の残った人々も同じだった- También los que se quedaron son exiliadosのひとコマ。
リティン監督が夢中になってサンティアゴで撮影を続けている中で、鐘が鳴り響く....以下は後藤さんの訳より引用

戒厳令下チリ潜入記―ある映画監督の冒険 (岩波新書 黄版 359)

los carillones de la Catedral soltaron al aire las notas de la canción más conmovedora de Violeta Parra: Gracias a la Vida. Era más de lo que podía soportar. Pensé en Violeta, pensé en sus hambres y sus noches sin techo de París,
大聖堂の鐘がビオレータ・パラの「グラシャス・ア・ラ・ビーダ」というあのもっとも感動的な歌の調べを空に響かせ始めた。とても耐えられなかった。私はビオレータのことを思った。かの女の飢えと、泊まる家もないパリの夜のことを思った。
(...)
Hasta los carabineros la escuchaban con devoción sin la menor idea de quién era ella, ni qué pensaba, ni por qué cantaba en vez de llorar, ni cuánto los hubiera detestado a ellos si hubiera estado allí padeciendo el milagro de aquel otoño espléndido.
国家警備隊員までがじっと歌に耳を傾けている。ビオレータとはどのような人物であり、何を考えていたのか、なぜ泣かないで歌を歌ったのか、もしここにいて、このすばらしい秋の、この奇跡を目にしたら、どんなに彼らを憎んだことか、などということにはまったく思い及ばずに....。


↓この動画はビオレータさんのGracias a la Vida。心に響く歌声ですが、悲しそうでもあります....


先日、このこのブログのコメントでdesparadaさんから、ビオレータのGracias a la Vidaを紹介してもらった。Gracias a la Vidaはさまざまな歌手によって歌われ続けてきていて、最近では震災復興の際に歌われた。
歌詞だけを聴けば失恋の歌かなぁって初めて聴いたときに思ったんですが、ビオレータさ肉声を↑の動画で聴くと歌われた背景を想い起こさせられる。。。。9・11以降、亡命して祖国を離れていたリティン監督が、昔のことを想い起こさせられたのも無理もないことだろう。

過去の思い出を取り戻したくなって、リティン監督は昔、昼食を共にした仲間が通う食堂に向かう。しかし、ウルグアイのビジネスマンに変装したリティン監督は、昔の仲間に気づいてもらえることはなかった。。。

Sólo en aquel momento tuve conciencia de cuán largos y devastadores eran los años del exilio. Y no sólo para los que nos fuimos, como lo creía hasta entonces,
sino también para ellos: los que se quedaron.
私はこの時、亡命の日々がいかに長く、また破壊的であったかを思い知らされた。それは私たち亡命者ばかりではなく、チリにとどまった人々にとっても同じだったのである。


9・11からの10年後、戒厳令下のチリで撮影されたドキュメンタリー。リティン監督を始め、多くのチリの人々が失ったものは計り知れない。それだけに、リティン監督が昨日のドキュメンタリー制作に情熱を注いでいた気持ちが伝わってくる。

もうひとつの9・11が起こり、チリの9.11は次第に忘れ去られていきそうだ。それでもビオレータさんのGracias a la Vidaは力強く歌われ続けていく。
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